こんにちは!かとすいライターのゆーすけです!
“水”と遊ぶライフスタイルを提案する、かとすいインタビュー。
今回は管理栄養士であり、トライアスリートでもあるBirdWorks代表の松田真紀さんです。アスリート向けの食のプロデュースをされている傍ら、自身もトライアスロンに打ち込み、なんと今年6月には、トライアスロンのために東京から茅ヶ崎にお引っ越しをされたそうです。その行動力の源泉とトライアスロンへの想いを聞きに、茅ヶ崎に行ってきました!
◯松田真紀さん
トライアスリート/管理栄養士
食品メーカーでスポーツドリンクの立ち上げに携わり、その後、広告代理店で数々の企業の商品・サービス開発を担当。14年、株式会社バードワークスを立ち上げ、代理店経験と自らのアスリート視点を生かした実践できる食のプロデュースを得意とする。
トライアスロンとの出会い
ゆーすけ:
松田さんはトライアスロンを始めて2年ほどになると思うのですが、元々何かスポーツはされていたんですか?
松田さん:
小さい頃、スイミングスクールには通っていましたよ。ぜん息を患っていて、それこそ学校にも行けないくらい症状も重かったので、身体を強くするためにと親に強制的に入れられたんです。そこで水泳をやり始めたおかげもあって、学校に行けるくらい症状は良くなっていったんです。でも、水泳はそれっきり。中学からはバスケをしていて、水泳は体育の授業くらいでした。
ゆーすけ:
あ、水泳はされてたんですか!
松田さん:
その頃は25mもすいすい泳げたはずのに、いざトライアスロンを始めるとなって、久しぶりに泳いだときのできなさ加減には、さぞビックリでした(笑)
ゆーすけ:
以前に水泳やってても、やっぱり久しぶりだと身体がついてこないものなんですね。
松田さん:
もうそれは本当に大変でしたよ。ただ、社会人になってからは、ダイエット目的でスポーツクラブには定期的に行っていました。新卒で入った食品メーカーで、新しいスポーツドリンクの企画立案の仕事をしていた関係もあって通っていたのですが。その他には、ラン流行りの頃はランをやったり、ゴルフも一時期してたり。
ゆーすけ:
やっぱり昔からスポーツは身近にあって、就職でもスポーツ系を選んだということですか?
松田さん:
それが、そんなつもりはまったくなかったんです(笑)
私、大学でスポーツ栄養学を専攻していたのですが、別に入りたいわけではなかったし、大学に入ってからも勉強なんて一切してませんでした。大学に入る前はお医者さんになりたいと思っていたのですが、勉強ができなかったので医学部には入れず、教科の関係で行ける大学が栄養系のところしかなかったんです。
ゆーすけ:
それは初耳です…!
松田さん:
その当時、栄養系の大学の就職先といえば、管理栄養士とか食品会社しかありませんでした。就職するときは就職するときで、丸の内OLになりたいとか考えていて、今思うと本当に何も考えてなかったなーと(笑)
ゆーすけ:
そんな松田さんがトライアスロンを始めるきっかけとなったのは、どんなことですか?
松田さん:
以前の同僚に、「トライアスロンの大会に出たいんだけど、出る?」って誘われたんですよね。それで、「うん、出る出る!」って(笑)
ゆーすけ:
え、トライアスロンって、そんな軽く始めるものなんですか!
松田さん:
元々経営者の方とかがトライアスロンやっているのは聞いていて、自分も興味はあったんです。端から見ていたらすごくしんどそうなスポーツなのに、なんでみんなやってるんだろう、と。そのうち自分が独立して経営者となり、トライアスロンに取り組んでいくうちに、『そこに何かがあるかもしれない』と思って、その経営者の人たちの気持ちがわかり始めた感じがしました。
ゆーすけ:
ちなみに、知り合いの経営者さんからはどんな話を聞いていました?
松田さん:
おもしろいとか、自分との戦いだよとか、トライアスロンがプラスにはたらく話はよく聞いてました。自分の知り合いでも、トライアスロンを始めてからすごく元気になって、むくんでた顔とかも治って、ええーすごい!って。そういう周りを見て、どこか憧れのような気持ちを持っていたのかもしれないですね。
ゆーすけ:
自分の周囲に影響されて何かを始めるというのは、得てしてよくあることかなって思います。ただ、そこには影響される理由や原体験があるんじゃないかとぼくは思うんですよね。影響された松田さんの背景なんかがあれば、お聞きしたいです。
松田さん:
それはたぶん、自分が一回身体を壊しているからだと思います。独立する前に働いていた職場は身体を壊して辞めているのですが、自分の健康を奪われたとき、すごく健康って大切だなと感じました。それから私は一人で走り始めたんです。
公園の周りなんかを長く走ってると、その時間の中で自分に向き合えたり、カラダも安定してきました。何もできなくて走り続けてたんだけど、その時、自分のココロとカラダが繋がってることを再認識することができたんですよね。そうなると今度は、これから自分は何をしようかなとか、私は何ができるんだろうと、思考が前向きになってリスタートできたんです。
ゆーすけ:
なるほど。
松田さん:
あと、私の祖母が亡くなったことも、トライアスロンを始めるきっかけになってると思います。トライアスロンをやってる方々は不思議と歳上が多く、一回若さと健康を失う経験をしている気がします。40代が『喪失の年』と言われているみたいに、失うばっかりの時期があって、周りの人が病気になったり両親がなくなったり。
私もよくお世話をしてくれた祖母が亡くなったとき、人って簡単に死ぬんだなと思い、自分がいつか死ぬことに気づいてから、人生の逆算ができるようになったんです。そうして喪失していく中でも、まだ自分の中で新しいことを始められるのは素晴らしいと思えるようになりました。長く泳げるようになったとか、早く走れるようになったとか、そういう成長も嬉しい。
きっと身体を壊してなかったら、その時に祖母が亡くなってなかったら、トライアスロンやってなかったと思います。
初めてのトライアスロンの大会は、お祭りのようだった。
ゆーすけ:
実際にトライアスロン始めてみて、どうでした?
松田さん:
大変だったの一言に尽きるのですが、一番最初に大変だったのはバイクです。そもそも私、自転車に乗るのが苦手だったんです。傘さして自転車乗るとかもできないくらいで、よく転んでました。きっとママチャリとの相性が悪かったんだと思う(笑)
ゆーすけ:
自転車乗れないのによく始められましたね!
松田さん:
それでもとりあえず、渋谷でロードバイクを買うところから始めました(笑)一緒に大会に出るって言ってた友人はレンタルバイクにしてたけど、レンタルとか怖すぎる!と思って、自前のバイクを買ったんですね。それで乗って帰ろうと思ったら、やっぱりまったく乗れなかった。それでも乗ろうとして、ふらふらしながら車道を進んでたら、車にひかれそうになって転んで、一日で買ったバイクが曲がりました(笑)
ゆーすけ:
ええええー!!!
松田さん:
実際にバイクに乗ってみて、こんなに速いと思ってなかったし、風で車体は揺れるし、タイヤが細くて薄いから振動がリアルに伝わってくるし。今でもトラウマですよ。
ゆーすけ:
買ったバイクがすぐ曲がって、ケガもして辛い想いまでしてるのに、それでも続けられた理由って何かあったんですか?
松田さん:
それは、『大会に出る』って決めたからじゃないかな。個人で仕事も始めたタイミングだったし、自分でやると決めたことができないとだめだなって考えていたと思います。
この前知人から聞いて納得したんですが、バイクとスイムとラン、全部得意な人はいないんですよね。みんな何かしら得意不得意はあるけれど、全部やらないとトライアスロンとは呼べない。それって仕事と似ていて、仕事だって苦手な領域でもなんとかやっていかないと前に進まないじゃないですか。でもその前に『大会に出る』という土俵に上がらないといけないし、不格好でいいからその決めたことを一回やりきらないと、仕事も上手くいかないんじゃないかって思ってたんでしょうね。
ゆーすけ:
たしかに。そうかもしれません。
そこから復帰を果たして、初の大会となる長良川国際トライアスロン大会に去年出られたと思うのですが、エントリーする時どんな気持ちでしたか?
松田さん:
なんか、海外旅行に行くような気持ちでした。そこまで深く考えてたわけじゃなかったけど、まだ見たこともないし、楽しいかも分からないような景色にお金を払うみたいな。
ゆーすけ:
海外旅行に行くような気持ちって、なんか絶妙な表現ですね!
ちなみに、大会当日のスタートのときの心境って覚えてたりします?
松田さん:
スタートは緊張して震えました。正直、「中止です!」って言われないかな?って少し思っていたり。女子は一番最後で、待ってる間もドキドキしてしまって、気づいたら全く知らない隣のおばちゃんとかにも話しかけてました(笑)
大会前、河原コーチ(プロトライアスリートの河原勇人さん)から、「しんどいときはとにかく笑え」と教わっていました。笑うと力が抜けるし落ち着くからということで、たぶんずっと笑ってました。
スタートしてから最初のスイムでは、めちゃくちゃ流された。コースも全然分からなくて、「こっちじゃないよ!」とコースも間違えてました。
ゆーすけ:
いきなり流されて緊張もしてるし、すごく焦っちゃいそう。
松田さん:
でも、逆に流されたときに緊張が解けたんです。うわー流されちゃったーと開き直って、とりあえず生きて帰ろうという気持ちになりました。ビリでもとりあえず前に進めればいいと思ってからは、気持ちが楽になった。スタートするまでは、しっかり練習も積んできたわけだし、あわよくば良いタイムでも出したいって思うじゃないですか。でも全く歯が立たなくて、もうなんでもいいやっ!と吹っ切れたのは逆に良かったと思いますね。
ゆーすけ:
流されながらもスイムを終えて、次のバイクはどうでした?
松田さん:
バイクはね、安全だから嬉しいって思ってました。普段走る一般道とは違って、車もいないし、信号も無いし、ネコが急に出てくることもないから、超安全じゃん!と思って。とりあえずコース通りに走ってればいいし、転んでも誰か助けに来てくれそうだから大丈夫そうじゃないですか(笑)いつもは、ここで転んで捻挫して、誰にも見つけてもらえなかったらどうしようって考えたりするわけですよ。実際に、転んだ後タクシーを呼んだこともあるし。
スイムからバイクに移るときは、スイムの疲れが予想以上にあって、足がつってウェットスーツがすぐ脱げなかった。乗ってからもふらふらして、ぶつかりそうになった時は怖かったでしたね。レースが終わってから、「お前だけママチャリみたいだったぞ」って言われたけど、それでも安全だったんで嬉しかったです(笑)
ゆーすけ:
レースが安全で嬉しいというのはぼくも初めて聞きました(笑)
バイクが終わって、最後はランですね。どうでした?
松田さん:
もうこれでケガすることはない!って最初に思いました。一年目は本当にバイクでたくさん転んだし、傷だらけだったんです。それが終わって、残すは走るのみ。もうケガをすることはないなって。その恐怖心がなくなって、完走が見えてきたという印象でした。
バイクが終わって足が痛いし重いし、言うことを聞かなかったけれど、それでもなんとか走ってたら、人がたくさん居て嬉しかった。バイクのところは応援が少なかったけど、ランは周回だから応援の人がたくさんいた。「がんばれ!」と応援されながら、一人じゃないっていいなあ!超たのしい!と思いながら走ってました。
ゆーすけ:
周りの応援の有難さを感じながらのゴールだったんですね!
松田さん:
ゴールのときは泣いてました。というか、ゴールのけっこう前から泣いてた(笑)私、すごいがんばっちゃったなと。最後は、みんなが私のこと応援してるに違いないと思い込んで、みんなに手を振ってゴールしました。
ゆーすけ:
初出場初完走ですから、喜びもひとしおですよね!
終わった後の余韻とかもすごく感じたんじゃないですか?
松田さん:
それが意外にも、ゴールしてからはあんまり余韻というのは感じなかったんですよ。ゴールするまでは余韻を感じていたんだけど、ゴールした瞬間に、次の大会はどうしようかなと考えてました。たぶん大会に出ることが、何かのお祭りに参加していることと同じ感覚になっていて、それが終わってしまって寂しかったんじゃないかな。
ゆーすけ:
大会はお祭り、ですか。
すごくしっくり感のある良い表現だと思います!
茅ヶ崎に移住をした本当の理由
ゆーすけ:
現在はどれくらい練習されてるんですか?
松田さん:
大会前とかで頻度は違いますけど、今年は泳ぎをがんばって週1回は海で泳いで、その他に週4でプールに行って、30分でも泳ぐようにしてました。毎日5時半に起きてて、朝のランが日課だったけど、5月にランナーひざ(ランニングによる膝関節周辺のスポーツ障害の総称)になってしまって、あまり走れなかったんです。なので、朝の時間や帰りにスイムの練習を増やして、苦手だったスイムを克服しました。週末はオープンウォーターに出たり、ちょっと長い距離のスイムレッスンに行ったりしています。
ゆーすけ:
けっこう多く練習されてるんですね!
松田さん:
練習してる方がココロもカラダも楽なんですよね。逆にやらないとしんどくなります。
ゆーすけ:
思い当たる節があればでいいのですが、なんで運動するとココロとカラダが安定すると思いますか?
松田さん:
んー、なんでだろう(笑)練習はレースのためもあるけど、どちらかというと自分のためのような気がしていて、運動している方が機嫌がいいんですよね。仕事は自分ひとりでやってるから、サボろうと思えばサボれるし、休むことも自由にできます。でもやらないといけない立場に身を置いていて、運動はその延長なのかなと。毎日これをやろうと決めたことをこなすと、ココロもカラダもすっきりするし。
ゆーすけ:
仕事と練習が上手く均衡を保ってるんでしょうね。
バイクの練習はどうされてるんですか?
松田さん:
週に3回くらい朝に乗ってます。月に2回くらい材木座の方まで行ったりもします。でも、バイクはやっぱりまだまだ苦手です。
ゆーすけ:
苦手というと?
松田さん:
練習を積んで、ようやく力の掛け方はわかってきたのですが、おそらくバイクの構造が分かってないのが原因だと思ってます。スイムもランもですけど、がむしゃらに取り組んでも仕方なくて、ロジックというか仕組みというか、構造的に考えることをかとすいのレッスンで初めて知りました。
かとすいのスイムレッスンで加藤コーチから、どうやったら身体を上手く使ってラクに進めるのかを教えてもらったときは、目からウロコでしたね。具体的なクロールの手の使い方なんかを教わって、それからある程度泳げるようになった気がします。
ゆーすけ:
あら、有難うございます(笑)
松田さん:
あと、かとすいでアップされる動画も見てます!動画で習う文化があるゴルフを以前にやっていたせいか、動画を見ながら自分で納得してコソッと自主練に入れたり。練習風景の動画、もっといろいろアップしてもらえると嬉しいです♪
ゆーすけ:
加藤コーチに伝えておきますね(笑)
あ、話は変わるのですが、松田さんは今年6月に茅ヶ崎にお引越しされてますけど、移住した理由を今日はぜひ教えて頂きたいです!
松田さん:
単純に、海の近くに住みたかったんですよね。それまでは都内に住んでいて、ワーカホリックの時代もあったからこそ今の生活が幸せに感じてます。
ゆーすけ:
海の近くに住みたかった、というのは何か理由が?
松田さん:
海のそばを走りたかったし、オープンウォーターもやりたかったんですよ。去年は2回ほど大会に出ましたけど、自然のコースではすごく流されることがわかって、プールの練習だけじゃ全然足りないと感じたんです。次は流されたくない!って、たぶん悔しかったんでしょうね。それで以前都内に住んでいたときは、オープンウォーターをするために海まで行くのが大変で、それならいっそのこと移住しちゃえ!って思って。
ゆーすけ:
まさにトライアスロンするために移住したみたいな感じですけど、移住というのはなかなかハードルが高いような気がします。そこの抵抗みたいなものは感じなかったですか?
松田さん:
私、そういうハードルは低い方なのかも(笑)基本的に仕事も遊びも本気なので、決めたら即行動してしまうタイプです。だから、海のそばに行くことを決心したら迷いはなかった。また、その時偶然にも環境がいろいろと変わったこともあって、選択肢ができたタイミングでした。いろんな運命が巡り合わさった感じ。
ゆーすけ:
松田さんらしさがよく出たエピソードですけど、『決めたら実行する』という姿勢は大切ですよね。
ちなみに茅ヶ崎の他にも、海に近い場所はあったと思うのですが、なぜ茅ヶ崎に?
松田さん:
それは、海が一番近かったからです。湘南方面で駅近に住みたいとは思っていて、駅から海までの距離を測ったり、実際に駅から海までも歩いてみたんですけど、茅ヶ崎が一番近くて。あと街の雰囲気もすごく良くて、すぐ好きになりましたね。
ゆーすけ:
これからも茅ヶ崎に住んでいたいですか?
松田さん:
もちろん!茅ヶ崎LOVEなので、勝手に茅ヶ崎PR大使してます(笑)
松田さん、有難うございました!
新しい自分に出会えるトライアスロン、はじめてみませんか?(^^)
>松田さんのブログはこちらからどうぞ!
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