寒さに嫌気がさしたので、年末年始の3週間を『フィリピン・パングラオ島』で過ごしました。
※パングラオ島については前回の記事をご覧ください↓
https://katoswimclub.jp/iijima-channel20190127/
3週間も何をしていたのか。
遊んでいたのではありません。『フリーダイビング』のトレーニングをするためです。
※『フリーダイビング』とは?
酸素ボンベなど、呼吸するための器材をつけずに行うダイビング。”アプネア”ともいう。
レクリエーションとして楽しむ『スノーケリング』や『スキンダイビング』も含まれるが、これらと異なる点は、より深く・長く、競技性の強いものとして正式な競技ルールが整備されたスポーツであるということ。プール競技と海洋競技があり、世界大会も開催されている。
『もっと心地よく、海で深く潜れるようになりたいな』
昨年は練習時間を作ることができなかったので、1年ぶりにトレーニングため『フィリピン・パングラオ島』へ飛びました。
フリーダイビングのトレーニングって何するの?
海でフリーダイビングのトレーニングって、どんなことするのか。
『息を止めるのって恐くないの?』
『どうしたら深く潜れるの?戻ってこれるの?』
こんなことをよく聞かれます。
わたしが日々おこなっていたトレーニングの流れをざっくり話すと、
①ストレッチや準備
②ボートに乗って海へ移動
③フロート(浮き輪)を浮かべて練習→終わり
といった感じ。
朝の練習だったら、9時頃に海へ移動して、だいたい10時半〜11時半にはスクールに戻ってきます。(戻る時間は、その日の海のコンディションや、体調、トレーニングの内容による)
①ストレッチや準備
体や横隔膜のストレッチ、息を止める練習など。各々、海へ行く前に準備をします。
水着に着替えたら、ウエットスーツを着て、ウエイト(重り)を付けます。
マスク、スノーケル、フィン、ラニヤード(ロープに沿って潜る時に、そのロープと自分をつなぐ命綱のようなもの)、ノーズクリップ(鼻栓)やお水などを持って出発。
②ボートに乗って海へ移動
ビーチに到着したら、ボートに乗りこんで海へ。
ここパングラオ島はビーチから数分で100mくらいの深度がとれてしまう、フリーダイバーにとっては最高の環境!!
③フロートを浮かべてトレーニング
フロート(浮き輪)を浮かべ、そこから重りを付けたロープを垂らします。そのロープに沿って、垂直に潜る練習をします。
バディ(パートナー)が、しっかり潜る人の安全管理をします。絶対に1人では潜りません。トレーニング中はインストラクターさんがバディ。各フロートに付いてトレーニングのサポートと安全管理をしてくれます。
それぞれ、その日の体調や課題、やりたいことに合わせてトレーニングをします。
例えば、『ターゲット』といわれる目標の深度へのチャレンジをしたい時。
わたしの場合は、だいたい3回くらいウォーミングアップで潜って、『ターゲット』をやります。
あらかじめ、インストラクターさんにその日のやりたいことを伝えます。
飯島:今日はウォーミングアップ3本くらいやって、40mの『ターゲット』やります!
みたいな。
そうすると、インストラクターさんが、ロープを深度40mに設定してくれて、その地点には、テニスボールがロープに付いているようにしてくれます。
潜っている間はなるべく何も考えず、できるだけリラックスします。人によりますが、わたしは寝ているような感じを意識して目を閉じてます。
『恐いな』とか、『今、何メートルくらい潜ったんだろう』と考え始めると、息が苦しくなってしまうんですよね。だから、ただ気持ちよくリラックス。
目を閉じていても片手はロープに添えたままなので、ちゃんと-40mでテニスボールを触って戻ってこれます。それ以上深く行ってしまう心配はないし、そこまで辿り着けなかったら、早めに引き返します。大きなケガにつながるので、水中での無理は禁物です。
浮上したら、しっかりリカバリーの呼吸をして、
手でOKサインを出して、「I’m OK」とバディに伝えます。『ちゃんと意識あるよ』っていう合図です。
フリーダイビングは息を止めてダイビングするスポーツ。ブラックアウト(酸欠による失神)も起こりえるので、しっかりと合図します。
練習が終わったら、またボートに乗りスクールへ戻ります。
トレーニングの流れはこんな感じ。
練習前はあまり食事はとりません。わたしの場合、朝練習するとき、朝ごはんはフルーツのみか、何も食べずに行きます。お腹に食べ物が入っていると、消化にエネルギーを使われてしまうし、息が止めにくいから。潜る時はなるべく省エネにした方が良いのです。
普通は1日1回の練習です。フリーダイビングは、水泳に比べると運動量はかなり少ないですが、ふだん陸上では体験しない水圧を受け、体が疲れます。また、息を止めて潜るのって精神的にも疲れます。
疲れると耳が抜けにくくなったり、息が長く止められない、頭痛がするなどパフォーマンスも下がって、いいこと無し。わたしは2日や3日に1日はトレーニングをお休みします。
頑張りすぎても、やる気なくなっちゃうしね。
フリーダイビングは”精神性の高いスポーツ”だとよく言われます。深く、長く潜るためには精神を落ち着かせる必要があるから。なので身体的なトレーニングも必要ですが、それだけでは足りない。そこが面白いなあと思います。
こんな感じでトレーニングをして、約3週間で水深40mほどまで潜れるようになりました。行く前は水深25mあたりで耳が抜けなくなっていたけれど、気持ちよく抜けるようになってきました。
自分を観察しながら、『体がりきんでいるな』と気付いたら、『リラックス』と言い聞かせる。それの繰り返し。
深く潜っていくとき、体の動きを止めます。じっとしているので見た目はいたって地味(笑)
滞在が長かったので、今回は日々のトレーニングと別にスキルコースも受講しました。
それについては次の記事にて。