こんにちは!かとすいライターのゆーすけです!
“水”と遊ぶライフスタイルを提案する、かとすいインタビュー。
今回は、湘南にあるサーフィンスクール『i-surfer』代表の石関太郎さん。プロサーファーとして活躍した後、サーフィンから離れる過去を経験。それでもサーフィンへの情熱は消えず、スクールを立ち上げて早13年。その”波瀾万丈”なライフスタイルに迫るべく、湘南辻堂にある人気のサーフィンスクールにおじゃましてきました!
◯石関太郎さん
サーフィンスクール湘南「i-surfer」代表。「あらゆるサーフィンの環境を一貫して、ご提供すること」をモットーに海の楽しさ、波に乗る楽しさを届けるスクールを開校。元一般社団法人日本プロサーフィン連盟(JPSA)プロサーファー。
http://www.i-surfer.jp/
サーフィンスクールに来る理由
ゆーすけ:
スクールを始められたのはいつからですか?
石関さん:
スクールを始めたのは13年前ですね。今の場所に来たのは3年前。
元々、スクールを始める前は、サーフボードの販売を考えていて、スクールをやるつもりはなかったんです。ただ、やっていくうちに売るだけでなくて教えてほしい、という声が増えていきました。
あと、海外ではサーフィンのスクールやレッスンがすごく身近にあるのですが、その当時の日本では今やっているサーフィンスクールのようなものは少なかったので、スクールを始めてみようかなと思ったのがきっかけです。
ゆーすけ:
あ、最初からスクールをやっていたわけではなかったんですね。
石関さん:
そうなんです。以前の場所でもそうだったのですが、路面店にしたくないという想いがありました。辻堂の方にサーファー通りというのがありますが、サーフショップがたくさん並んでいるところから離れた、今の場所を敢えて選びました。
というのも、自分が真隣にある湘洋中学校の出身でして、昔から正面の海が空いていることを知っていたんですよね。あと、海水浴のエリア規制がないので、夏でもずっとサーフィンができる。なので、こちら側の奥まった方でお店を開こうと考えていました。
ゆーすけ:
海からほんとに近いですもんね。
その当時は、現在行っているサーフィンスクールは少なかったということですが、サーフィン人口も少なかったんですか?
石関さん:
人口が少なかったわけではないけど、「サーフィンを教える」ということをする団体はほとんどなかったです。
どこどこのサーフショップのオーナーさんたちが、ボードを買ってくれるお客さんに対して、ルールだとかやり方をちょっと教えてあげるみたいな感じでした。基本的にサーフィンって見て覚えるものでしたから、手取り足取り教えるというスタイルはあまりありませんでした。
ゆーすけ:
へええ。サーフィンスクールの歴史が浅いというのは意外でした。
お客さんはどういう方がよく来ますか?
石関さん:
それが面白いことに、けっこうばらばらなんです。まったくの初心者から、徐々に上手くなっていっていつの間にか毎年来ちゃってる人もいるし、プロサーファーを目指している子どももいたりします。お店にロッカーもあるので、ボードとかウェットスーツを一式揃えてもらったら、ロッカーに預けることでいつでもサーフィンを楽しめる環境は用意しています。
お客さんの傾向だと、若い人は意外と少なかったりします。ちゃんと通おうとすると、お金もかかってくるので、30代40代が多いかもしれません。親子連れで来て、おもしろいと思ったら子どもだけで来る家族も多いです。ハマっていく人は、ハマっていきますよね。
ゆーすけ:
というか、i-surferさんのホームページには「1日でサーフボードの上に立てるようになる」って書いてありましたけど、これってほんとですか?!
絶対そんなことないと思うんですけど…笑
石関さん:
9割方の人はだいたい一日でボードの上には立てるようになりますよ。「最初からこんなにできると思わなかった」という人がほとんどです。
ただ、極めようと思うとやっぱりサーフィンってすごく難しい。でも、適正な道具を選べればボードの上に立つこと自体は難しくないんです。それが選べず自分でやっちゃうと、全然できない。道具、コンディション、場所、すべての条件を揃えることが大切です。
ゆーすけ:
そうやってみなさん、ハマっていくんですね。
石関さん:
あと、うちはサーフショップではなく教えるのがメインなので、最後まで面倒を見ていくスタイルを一貫して続けています。
お店ではお客さん一人ずつにカルテがあって、今日はこれをやってこれができた、次回はこれをやろうという感じで、レッスンが終わった後に必ず反省会をしています。それもあってのことか、何十回とリピートして来られる人が多いのが特徴ですね。
ゆーすけ:
なるほどー。
ちなみに変な質問なのですが、石関さんはなぜハマっていく人が多いと思いますか?
石関さん:
うーん、たぶんサーフィンという「行為」そのものが楽しいんでしょうね。
スクールに来るようになるきっかけというのは例えば、好きな芸能人がサーフィンやってるからとか、同僚に連れてこられたとか、単にモテたいからとか、動機はばらばらですよ。その入口はなんでもいいと思いますが、自然の力に押されてスピードが出ることで体感速度もかなり早く感じて、波に乗る浮遊感があったり、水の上に立ってスーッと滑る感覚を覚えたり、そういう「行為」が楽しいのかと。
ゆーすけ:
そう語ってる石関さんが一番笑顔じゃないですか!笑
石関さん:
やっぱり楽しいんですよ、サーフィンは。
スクールでお待ちしています。笑
スクール開校に辿り着いたきっかけ
ゆーすけ:
石関さんは、サーフィンをどのように始めたんですか?
石関さん:
実を言うと、自分の父も親戚もサーフィンをやっていたのに、まったく教わらずに我流で始めたんです。しかもビート板から。笑
それが10歳のときで、ビート板で物足りなくなってくると、もうちょっとサーフボードっぽいのがほしいと言って、ディスカウントショップで親に買ってもらった思い出があります。
また、その時が第二次サーフィンブームで、半端じゃない人の数だったのも覚えています。当時は駐車規制もほとんどなかったので、引地川沿いにばーっと車が並んでた。確か、この近くのマクドナルドの月間売上が一時期世界記録になったんですよ。
今は落ち着きましたけど、昔の方が勢いはありましたね。
ゆーすけ:
当時は一大ブームだったんですね。
その後はどうされたんですか?
石関さん:
高校を卒業した後、カリフォルニアに3年半ほど行って、サーフィン漬けの毎日を過ごしました。ぼくは生まれがアメリカで、アメリカ国籍も取得していたままだったので、向こうに行きっぱなしで問題なかったんです。
ゆーすけ:
カリフォルニア!なんだか聞くだけでカッコいいですね!
石関さん:
そうなんです、カリフォルニアのサーフィンは何よりカッコよかったんです。国によってサーフィンのスタイルはもちろん違うんですけど、その当時のカリフォルニアのサーフィンスタイルは本当にカッコよかった。ファッションも音楽も、サーフィンのスタイルもそれをやってる人間も、他の国より進んでいたと思います。そういうスタイルとか文化の中で、戦ってみたいし、吸収してみたいし、何かを得て帰ってこれたらいいなと思っていました。
ゆーすけ:
帰国してからはプロになられたんですか?
石関さん:
プロトライアルを受けてプロになりましたが、やっぱりプロの世界は厳しいものでしたね。
逆に言うと、プロになってからの方が吸収したものが多かったような気がします。
ゆーすけ:
その吸収したものとは?
石関さん:
プロの世界で飯を食っていくことがどれだけ大変なのか、ということです。大会の成績次第でスポンサーからもらえる給料が違いますし、大会で勝ち上がらないと賞金ももらえません。シード権とかを持つまでは当然ダブルワークもしていました。その反面、いろんな選手と一緒に行動をすることも多くなって、繋がりが増えていくことは面白かったですね。
ゆーすけ:
なるほど、金銭面も含めて、結果がすべてという世界がプロの厳しさだったんですね。
いっそのこと辞めてしまおう、と思ったこともあったんですか?
石関さん:
それはなかったですね。大会に出るのも好きでしたし、辞めたくなかったんです。
プロ3、4年目くらいのときに肩を骨折して断裂して、肩の再建手術を経験したんですけど、その時でさえも辞めようとは思いませんでした。
しかし、プロとして6年が過ぎた頃、家の事情でサーフィンが続けられなくなって、サーフィンから離れざるを得なくなりました。それが29歳の時の話です。
ゆーすけ:
サーフィンを辞めるとき、後ろ髪をひかれるようなものはありました?
石関さん:
もちろん。自分のせいとかであれば諦めもついたでしょうけど、そうではなかったので、なんとかしたいという気持ちでした。今振り返ると、いろんな気持ちを抱えながら過ごした
3、4年だったような気がします。
ゆーすけ:
そうでしたか。
逆にその期間を過ごした後、他の選択肢もあったと思うんですよ。サーフィンから離れて、他の職業に就くことだって可能だったはずです。
それでもサーフィンに携わる仕事をやる決意をされた理由はなんだったんですか?
石関さん:
忘れられなかったんですよね。やっぱりサーフィンだ、サーフィンで飯食っていきたいなと。
そうしてサーフボードの販売やサーフィンスクールを始めましたが、サーフィンスクールを始めるようになった自分の原体験が1つありまして。
プロの頃から、エス・イー・エー学園というスポーツ専門学校で
サーフィンを教える臨時コーチをやっていたのですが、そこでサーフィンを教えた子たちが見る見るうちに変わっていったんです。まるでドラマのように。
ゆーすけ:
それは、人が変わるというか、性格が変わるようなイメージですか?
石関さん:
素行も悪くて挨拶もできないような子たちが礼儀正しくなるし、海やサーフィンと触れて変わっていく姿を見て、サーフィンってすごいなと思ったんです。そういう経験はなかなかできないし、スクールを始めるきっかけの一つになっていたと思います。
「教える」ということは、「初心を思い出す」ということ。
ゆーすけ:
今後、サーフィン人口は増えて欲しいですか?
石関さん:
サーフィンの人口が増えることは業界全体が大きくなっていくことですし、2020年の東京オリンピックでサーフィンが追加種目に選ばれたということもあって、サーフィン人口は増えていくと思います。だからこそ、ちゃんとした知識を身に付けて、サーフィンを楽しめる人が増えてほしいなと。
i-Surferとしては、この場所がサーフィンを楽しむ人たちの起点になってくれれば嬉しいです。そのために、自分自身がここだけではなく、ハワイに拠点を持って、行ったり来たりできるようにしたい。そうすれば、ここでサーフィンを覚えた方がハワイに行ったり、宮崎や鹿児島に行ったりできるようになって、さらにサーフィンを楽しんでもらえる環境が作れると思っています。
ゆーすけ:
モットーとしている「あらゆるサーフィンの環境を一貫して提供する」というのは、そういう背景がありそうですね。
石関さん:
自分が今まで培ってきた友人のご縁を、サーフィンを楽しむ人達に上手く共有できればいいなという想いから来てますね、このモットーは。
ゆーすけ:
i-surferのコーチたちも同じような想いを持ったりするんですか?
石関さん:
スクールをこうしていこうとかはあんまり話さないですけど、サーフィンを教えると、こんなにみんな喜んでくれるんだね!という体験はお互いに話したりします。なぜそんな話をするかというと、サーフィンをやったことない方がサーフィンを教わると、すごい笑顔で帰っていくんですよね。それに比べて、ぼくらはもうサーフィンを長くやってるから、ボードの上に立てたときの感動や最初の頃の気持ちは忘れかけてしまってる。「教える」ことが、「初心を思い出す」ことに繋がってるんだと思います。
ゆーすけ:
ちなみに、ご自分でサーフィンを楽しむこともあるんですか?
石関さん:
そりゃありますよ。台風が来て波が大きくなるときはスクールも中止になるので、その日は自分たちもちょっと特別なところに行ってサーフィンしたりします。プロからすると、台風のときの波の方が楽しいので。笑
あとは年間何回か、わざと波が大きいところを狙って行ったりとか。プロサーファー目指してる子たちを、ハワイのノースショアに連れていく毎年恒例のサーフキャンプもあるので、そのタイミングで自分も思う存分サーフィンを楽しんでます。
ゆーすけ:
最後にもう一回変な質問をするのですが、石関さんはなぜサーフィンを辞めないんですか?
石関さん:
なぜ辞めないか…ですか。辞める必要がないからですよね。自分自身もサーフィンという「行為」が好きなんです。
サーフィンというのは他のスポーツとは少し違う気がしていて、お年を召した方でもスクールに来られたらサーフィンのある生活が始まります。40歳、50歳から野球を始める人はほとんどいないと思いますが、その歳からサーフィンを始める方は意外と多かったりするわけです。
たぶん、サーフィンはスポーツという括りに収まらない「遊び」なんでしょうね。そして、それが習慣になる。だから辞める必要がなくなる。海に入って上がってくるとすごい気持ちがいいんです。身体の中の悪いものが全部出ていくような良い疲労感と言いますか。
(近くにいた常連さん二人に見ながら)
今日のレッスンが終わって、ぼーっとしているそこのお二人なんかは、まさに今その状態ですよ。笑
何食べようかなーとか、何飲もうかなーとか、余韻に浸る感じは今も昔も変わらないですね。
i-surferの石関さん、ご協力有難うございました!!
水と遊ぶライフスタイルにサーフィン、いかがですか?(^^)
【サーフィンスクール湘南 i-surfer】
●住所
神奈川県藤沢市鵠沼海岸4丁目14−4
●アクセス
電車:
鵠沼海岸駅から徒歩15分
辻堂駅からビーチハウスまで車送迎あり(要予約)
自動車:
駐車場あり(1台1,000円≪要予約≫)
●電話番号
090-6173-4173
●Eメールアドレス
info@i-surfer.jp
●ホームページ
http://www.i-surfer.jp/
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