こんにちは!かとすいライターのゆーすけです!
“水”と遊ぶライフスタイルを提案する、かとすいインタビュー。
今回はプロトライアスリートの河原勇人さんです。学生時代からトライアスリートとして頭角を表し、数々の大会で優勝を納めてきた河原さんは、どのような選手時代を過ごし、またコーチとして指導をしてきたのか。河原さんのトライアスロンに対する姿勢やライフスタイル、大切にされている信条について伺いました。
◯河原勇人さん
静岡県沼津市出身。2008年、2011年全日本トライアスロン宮古島大会覇者。地元で開催されたトライアスロン駅伝を観戦し、過酷なはずのレースを老若男女問わず楽しそうに走る姿を見て興味を持ち、競技を始める。
自己の経験から「身体の負担を軽減しつつ、いかに運動効率を上げるか、心身の健康増進に寄与するか」をテーマに指導を心がける。ビギナーからベテランまで、個々に合った指導を展開中。
選手としての河原勇人
ゆーすけ:
現在は選手活動はされているんですか?
河原さん:
お給料を頂きながら大会に出る契約選手は卒業していまして、現在はコーチとして活動しながらエイジグルーパーという一般の部で、アスリートとして活動しています。
ゆーすけ:
選手としての期間はどれくらいだったのでしょう?
河原さん:
プロとして活動し始めたのは、大学を卒業してすぐでした。トーシンパートナーズ・チームケンズに契約社員兼トライアスリートとして所属をさせて頂いたのが、もうかれこれ17年前のことです。そして、引退したのは2年前の2014年。今振り返ると、私から見ても長いと言いますか(笑)
ゆーすけ:
いえいえ、選手生活が長いということは素晴らしいことだと思います。それだけ自分の身体を維持しないと不可能なことでもありますし。
河原さん:
いや、自分の身体と上手く付き合えていなかった時期は長かったと思います。ただ、幸いなことに身体が強かったらしく、ランの距離を積む練習に関しても、他の選手から「変わってる」「真似できない」とかはよく言われてました。それだけ練習量が積めるような、丈夫な身体に産んでくれた両親と、私が生まれ育った田舎に感謝しています。
ゆーすけ:
なるほど、そうでしたか。そういえば河原さんは元々ランナーのご出身でしたよね。
河原さん:
はい、高校の頃は中距離のランナーでした。東京農業大学に進学したのも、大学が箱根駅伝の強豪校ということもあって、どんな練習メニューをしているかを勉強するためでしたので、入学してから1年間は陸上部に所属していました。トライアスロンを本格的に始めたのは大学2年でチームケンズの練習に加えさせて頂いてからですね。
ゆーすけ:
大学2年というと、20歳からということですね。20代の頃はどんなトライアスロンとの関わりと言いますか、練習をされていたんですか?
河原さん:
あまり自分の身体のケアとかを考えずにガンガン練習していました。世間一般で薦められているトレーニングでは型にはめられてしまうので、これから道を切り開いていくために、今まで他の人が取り組んでいない練習をやっていかないといけない、という自負があったんですよね。そういう意味では、私の出身であるチームケンズの環境で、練習を積ませて頂いたことは良い経験になっています。そのおかげもあって、大学4年の関東学生選手権(関カレ)で優勝をすることができて、勝つことのおもしろさにハマっていきました。
ゆーすけ:
20代の成績はいかがでしたか?
河原さん:
大学卒業後にユニバーシアードに出た後、ミドルディスタンスの大会である鹿児島の徳之島でのトライアスロン大会に出させて頂いたり、佐渡ヶ島で行われる佐渡国際トライアスロン大会では3連覇をさせて頂きました。
ゆーすけ:
ちなみにひとつ聞きたいのですが、関カレやユニバーシアードではオリンピックディスタンスに挑戦されていた河原さんが、途中でミドルディスタンスに変更されたのは何か理由があったんですか?
河原さん:
それは、自分が活躍できる場を探した結果がミドルディスタンスやロングだったんですよね。自分がトライアスロンをやる上ではオリンピック代表というのがなかなか目指しにくいと感じて、これから選手としてやっていく中で結果が残せて、支えてくださるみなさんに良い報告をすることを第一に考えたときに、ミドルディスタンスやロングディスタンスの長い距離で世界に挑戦したいという想いが募り、長距離をメインに切り替えました。
ゆーすけ:
難しい選択だったんじゃないかと思いますが、周囲への影響を優先されたんですね。逆に、20代で苦労されたことなどはありました?
河原さん:
うーん、深刻な苦労もなく、何かに犠牲になったということもなかったと思います。練習は確かにキツいことも多かったけど、それも含めて全部好きでしたし。だからここまで続けてこれたのかもしれませんね。ただ、唯一あるとしたら妻やその両親に迷惑をかけてしまったと思います。
ゆーすけ:
奥さんへの苦労、ですか。
河原さん:
はい。やはり毎週土曜日や日曜日には長い距離の練習に行ってしまうので、そこであんまり一緒に居てあげられなかったなと。ゆっくりできる時間が取れたのは、チームの全体練習のメニューがない月曜日と金曜日に祝日が被った場合だけでしたし、迷惑をかけたと思っています。
ゆーすけ:
そんな奥さんの熱心な支えもあって、全日本トライアスロン宮古島大会の優勝があったのかと思いますが、やっぱり宮古島大会の優勝時が一番のピークでしたか?
河原さん:
そうですね、特に30歳だった2008年の大会が一番脂に乗ってた時だったと思います。その時は、全体では28位で表彰に絡むとかは全然なかったんですけど、ハワイ島のコナで行われるアイアンマン世界選手権でも日本人最先着できたり、その1週間後にお台場で行われたオリンピックディスタンスの日本選手権でもトップ10に入賞できたりと、調子は一番良かった気がします。
ゆーすけ:
2008年の宮古島大会に優勝した時、どんな気持ちでした?
河原さん:
先輩であり、最大のライバルである松丸真幸選手とのデットヒートになりまして、最後の5km前まで優勝争いがもつれたんですよね。松丸さんの闘志と私の意地がぶつかったレースで、フィニッシュ後は互いに死力を尽くして戦い抜いた戦友として称え合うことができた、思い出深い大会でした。
ゆーすけ:
その輝かしい2008年の優勝から、一度ケガをされてると聞きました。
河原さん:
はい、バイクの集団走で転倒した際に腰椎をずらしてしまったんです。そのケガは幸い手術にはならない程度でしたが、それとは別に交通事故に遭遇してバイクから落ちてしまった際、手首の靭帯を切って骨折をした経験があります。手術が必要になるくらいのケガはその時が初めてでした。
ゆーすけ:
ケガをされた時のご自身の精神状況は、どのようなものだったんですか?リハビリとかで焦りとかも感じてしまいそうですが…。
河原さん:
いえ、逆に練習ができない分、今の状況だからこそチームに貢献できることがあるんじゃないかと考えることができて、トライアスロンを諦める方でなく、自分が与えてもらった役割の中で何ができるかを考えられるようになったのはプラスになりましたね。
また嬉しかったのが、トライアスロンの大先輩である藤原裕司さんから、「骨折したんだったら成長ホルモンもたくさん出るじゃないか!河原、お前は絶対いけるぞ。」って励ましのお墨付きを頂いたことです。その後、優勝できたのが2011年の宮古島大会だったので、やはり大先輩は偉大だなと。
ゆーすけ:
それに関連しますが、2011年の宮古島大会の優勝後はどんな感想でした?
河原さん:
この優勝は、自分ひとりの力じゃないとすごく感じました。周りのみなさんとの繋がりが、苦しい局面で支えに感じられて心強かった。絆というと月並なのですが、そのようなものを感じたレースでしたね。トライアスロンは個人スポーツじゃないと気づくことができたのは、その大会のおかげでした。
ゆーすけ:
というか、インタビューをしてみて改めて感じたんですけど、河原さんって本当にポジティブですよね!引退こそされてますけど、選手のときも今と変わらないスタンスでやってこられたのだと思うのですが。
河原さん:
いやいや、普通ですよ(笑)でも、例えば苦しい状況に置かれたとしても、こういう状況はみんな同じなんだから、その困難を楽しんだり、逆に何ができるかを考えたりするタイプだと思います。トライアスロンも大自然を相手にする分、どの大会でもまったく同じ状況というのは無くて、状況の変化を楽しめるというか、工夫したり対処するのが面白いなと感じますし。
ゆーすけ:
困難を楽しむ能力に長けてるんですね。
河原さん:
それこそ若い時は、苦しくなると「他の選手、こけないかなー」とか他力本願になったときも正直ありました。でもそういう時ってやっぱり良い結果は出なくて、逆に自分のパフォーマンスを信じて周りを冷静に見れている時は、結果も良かったですね。
ゆーすけ:
あと、お話を聞いていると、「感謝」というキーワードが河原さんのポリシーの中にあると思うんですよね。これは自分もよく感じることなんですが、「感謝を大切にする」ってすごく難しいことだと思うんです。その感謝をほったらかしにしておくこともできるし、そうしてしまう人もたくさんいると思うのですが、河原さん流の「感謝を大切にする方法」みたいなのって、あったりします?
河原さん:
いえいえ、私にできることは限られていますが、その限られてる中で最大限の結果を出すことが一番の感謝の表現方法だと思ってます。その結果が、周りに支えられていると自分で自分を納得させる材料にもなるかと。
あと最近出会った言葉に、「おもてなしと思いやりは違う」というものがありまして。おもてなしというのは当事者同士だけで完結するものだが、思いやりというのは当事者を超えた周囲全体を巻き込んだものとあって、周りを巻き込む形で感謝を表現できるようにしたいというのが、最近の個人的な目標でもありますね。
ゆーすけ:
そういう言葉が心に留まるというのは、やっぱり感謝を大切にする気持ちが染み付いてる証拠だと思います。
河原さん:
いや、でもまだまだ未熟者ですよ(笑)
ゆーすけ:
そんなこと言ったら、ぼくは1000倍ぐらい未熟者になります(笑)
コーチとしての河原勇人
ゆーすけ:
コーチとしてはいつから活動されてるんですか?
河原さん:
大学を卒業した後、選手として練習もさせて頂きながら、チームケンズのトライアスロンスクールでスイムやバイク、ランのコーチという立場でもあったんですよね。22歳からなので、コーチ歴としては17年ほどになります。
ゆーすけ:
あ、そうだったんですか。これは前から聞きたかったことなのですが、コーチとしてテーマにされている「身体の負担を軽減しつつ、いかに運動効率を上げるか、心身の健康増進に寄与するか」について詳しく聞かせてください。
河原さん:
噛み砕いて解釈すると、トライアスロンに限らず他のスポーツも楽しんでいきましょうという感じですかね。トライアスロンで考えると、スイム・バイク・ランがあって、あんな大変なスポーツできないって敷居を高く感じられるが、苦しい場面でネガティブにならない乗り越え方や対処の仕方なんかを知って頂いて、マイペースに楽しみながら生涯続けられるものだと感じてもらいたいんです。日本人は真面目というか本当にストイックなので、頑張りすぎてケガをしてしまう方が多いように感じます。歯を食いしばるだけがスポーツではない、という感じで間口を広げられればと考えています。
ゆーすけ:
ぼくも小さい頃からスポーツはやってきましたが、スポーツは歯を食いしばるものだと思って続けてきましたし、河原さんもプロとして歯を食いしばりながらやってきたと思うんですよ。さっき行っておられたモットーとされていることは「スポーツは歯を食いしばるもの」という考え方とは真逆ですが、どのタイミングでそのモットーのような考え方が生まれたのですか?
河原さん:
自分のメインが、長い距離のトライアスロンに移ったときですかね。タイムや順位だけでなく、タフなレースを乗り越えて、最後のフィニッシュゲートまで辿りつける喜びから来てる考え方かもしれません。一度佐渡の大会の時に、バイクがパンクをしてしまって競技が続けられなくなってリタイアしたことがありました。リタイア後に目の前を一般の方々が通っていくのを見て、「バイクの修理はできなかったけど、時間がかかったとしてもバイクを押してゴールを目指せる体力は残っていた。なんで簡単に諦めちゃったんだろう。」と感じた経験が、もしかしたら一番のきっかけかもしれないです。
ゆーすけ:
何よりもまずゴールをすることが大切だと気づいた、と。
河原さん:
転んでもただでは起きないと言いますか、何事も上手くいかないことの方が多いと思います。その状況でどれだけ次への教訓を得られるか、自分の可能性がどれだけあるのかを知るために、簡単に諦めちゃいけないと学ぶことができたレースでした。
ゆーすけ:
なるほど、合点がいきました。そのモットーの他に、コーチとしていつも指導するときに心がけていることはあったりしますか?
河原さん:
一番はやっぱりケガをしないことです。もちろん、痛みに耐えて練習をするなどの強制はしません。それを除けば、自分の最善を尽くすことやリミッターをかけないで自分の可能性を追求していきましょうといった感じです。毎日ささいなことでもいいから、自分にプラスになることや成長に繋がることの積み重ねができるように。そうすると、トライアスロンの範疇を超えて自分の生きがいになったり、人生の楽しみになったりするんじゃないかと考えています。
ゆーすけ:
実際、ぼくもトライアスロンをされている方々には成長の過程を聞いたりするのですが、コーチの立場としては、指導をしていく中で成長されるどの場面を見られるのが嬉しく感じるものですか?
河原さん:
いえ、どの過程でも嬉しいものですよ。トライアスロンは大人になってから始められる方が多いスポーツで、仮にスイムで25m泳げないところから「トライアスロンやりたい!」ということで始められた方が、25m泳げた時や段々距離が伸びていってレースを完走した報告を受けた時は、自分が成長すること以上に嬉しく感じます。そう思えるのは頑張ったご本人のおかげなんだけど、「コーチに出会ったからです!」なんて言葉を頂くと、本当に涙腺が緩みます。というか壊れます(笑)
ゆーすけ:
え、河原さんって、よく泣くんですか?!
河原さん:
ええ、けっこう泣きます。スイッチを押すとすぐ涙が出てくるような、なみだスイッチがついてるんじゃないかってよく言われたりもします(笑)
ゆーすけ:
今度、何かの機会に見せてくださいね(笑)
トライアスロンを大人になってから始める方が多いという点では、河原さんがテーマとして掲げられている「健康増進」という言葉が、スポーツの一番の目的と言っても過言ではないと個人的には思います。河原さんとしては、健康増進という言葉をどのようにお考えですか?
河原さん:
歳を取るから健康が弱まっていくということはなくて、年齢に応じた形での健康との付き合い方がある気がしています。心技体に近いかもしれませんが、生物としてのヒトの要素というか、人間が本来、本能として持っている身体の使い方の可能性を追求していくのは面白いことですよ。社会的な側面での人間の成長もある一方で、動物的な意味でのヒトとしても成長が見込めるという意味で、トライアスロンのような自然に近いスポーツが飽きずに取り組めているのでしょうね。
ゆーすけ:
トライアスロンを極めている、河原さんだからこその考え方だと思います。でも、心技体の考え方がトライアスロンにもあるんですね。
河原さん:
そうなんです。特に「技」という点に関しては、以前は若気の至りで身体に負担をかけるようなフォームでしたが、その頃のフォームと現在ではまったく変わってます。その経験があるから、コーチとして指導する際もジュニアやご年配の方に合わせて、様々なアプローチができるようになったと思います。
ゆーすけ:
とはいえコーチの立場ですし、極端に言うと「技」の部分だけを教えれば問題はないと思いますが、「心」と「体」の部分もコーチとして意識して指導することはありますか?
河原さん:
ありますね。特に「心」については自分も経験してきたことですけど、ネガティブになりそうなところやしんどそうなところで鼓舞してあげることは心がけています。だめだと思ったけど乗り切ったという経験が、その人を前向きにさせてくれると思うので、「コーチのおかげでがんばれました」と言ってもらえることはコーチ冥利に尽きる言葉です。
ゆーすけ:
選手だった時の経験が、コーチとしての河原さんをより大きくさせてくれてる、ということですか?
河原さん:
これも良い相乗効果と言いますか、自分が選手だけで活動をして、並行してコーチとしての活動をしていなかったら今の自分はないと感じています。選手とコーチ、お互いの化学反応があって更に新しい発見があるわけで、同じような練習だけれども次の日にはまた違った形に見える深みに気づけたりします。
ゆーすけ:
そういえば、コーチで思い出したのですが、タレントの東野幸治さんにもコーチとして指導されたことがあるんだとか?
河原さん:
はい、指導した期間としては1年弱くらいです。ちょうど東野さんが出演されている番組で、石垣島のトライアスロンに挑戦される企画があって、結果的には初挑戦のスタンダードディスタンスをサブスリー(3時間を切ること)でゴールされました。サブスリーを達成された後、番組で島田紳助さんが「それだったら、日本最長の佐渡国際トライアスロンに出たらいいじゃないか」とおっしゃられて、その時にも再度オファーをくださったので指導させて頂きました。その大会は結局制限時間に数分に合わなかったのですが、東野さんはパフォーマンスが高かったですね。
ゆーすけ:
すごいですね。東野さんって前からスポーツとかされてたんですかね?
河原さん:
少年時代には、ジュニアオリンピックにも確か出られていたと思います。なのでスイムの経験もあったし、身体の使い方のセンスもあって、バイクもランも見ていて安定感がありました。また、東野さんはプライベートもしっかりされている方で、お仕事が忙しくて練習に遅れる際にも「すみません!2時間ほど遅れます!」と律儀にご連絡をくださったり、一度も練習を休まれることはなかったです。顔色が優れないと思って「今日の練習メニュー、軽いものにしますか?」と持ちかけても、「いや、もうコーチが組んでくれた練習メニューでいきましょう!」と言ってくださったり。
ゆーすけ:
へー!東野さんって元々色白な方なので、顔色が優れないと思ったのは、河原さんの見間違いだったかもしれませんよね…?(笑)
これからの河原勇人
ゆーすけ:
単刀直入ですが、これからどんなことがしたいですか?
河原さん:
自分がこれまでトライアスロンのランに関して積み上げてきたものを、形にして残していきたいと思っています。例えば、バイクの技術本やスイムの技術本はたくさん種類はありますが、ランの技術本というのはけっこう言われている内容が偏ってきているので、それとはまた違ったアプローチでランの魅力を広めて、こういうアプローチもあるのかと知ってもらうことがこれからの目標です。
ゆーすけ:
形にして残していきたいというと?
河原さん:
具体的には、現在始めている「カワハRun!研究会」のランイベントだったり、動画とか本の出版ですね。ただ私自身は相当キワモノなので、それが受け入れられるかどうかは分かりませんが、そういうことを恐れちゃいけないと思うので、色々と人間の可能性を提示することに少しでも貢献できればと。
ゆーすけ:
トレーニングメニューってけっこう正解のない世界だと思っていて、方法論は人によりけりといった部分もあると思いますが、河原さん独自の練習メニューをどんどん公開していきたいといったイメージでしょうか?
河原さん:
そうですね。自分のひらめきから独自の練習メニューが生まれることはけっこうあるタイプでして、普段の練習や日々の生活の中でも、この動きはひょっとすると練習で使えるんじゃないか、という動きをふとひらめいたりします。たとえば、寒い中で身体を動かしていると、暑い中で走っている時には気がつかないことに気づいたり、雪道を走っていたりすると、平地で走る時でも意識すべきポイントが発見できたり、とかですね。
ゆーすけ:
へええ。そうやってトライアスロンを極めてきた河原さんですから、ぜひそのメニューは知りたいところです。
河原さん:
あとは、かとすいの加藤慶一さんがよく「国民皆泳」ということを目標として言っておられますが、自分には「日本をもっと健康に!」という目標が最近できて、健康が身体だけではなく心と結びついて、また技術を含めた新しい発見が重なって、どんどん日本の健康寿命が伸びればと考えています。
ゆーすけ:
「日本をもっと健康に!」というのは、具体的にどのようなものなんですか?
河原さん:
これは、タニタの社長である谷田千里さんの言葉でして、それをそのまま頂いちゃったんですけどね(笑)「日本をもっと健康に!」というのはタニタさんの企業理念で、自分も体組成計のプロモーションをお手伝いさせて頂いたことがあるのですが、その時に谷田社長とお話をする機会があって、「日本をもっと健康に!」という理念に共感したんです。だったら、自分が積み上げてきたものを形にして残すことは、目標に通ずるものなんじゃないかと思って、今後やっていきたいなと思っている感じですかね。
ゆーすけ:
そういう意味では、河原さんはトライアスロンを死ぬまで続けていくと思うのですが、逆に自分のお子さんたちにもトライアスロンはやらせたいと思われたりします?
河原さん:
本人たちがやりたいことの延長にトライアスロンがあるならいいなとは思いますが、こちらから押し付けたくないなとは思ってます。自分が一生懸命になれること、一生懸命になることで周りの人を喜ばせられるようなものを見つけなさい、とはよく言っていますけど。今はスポーツとしては、サッカーとか水泳を子どもたちはしていますが、水に触れることを気に入ってくれたのは嬉しいですね。
ゆーすけ:
それは、遺伝子がそうさせたんですかね(笑)
河原さん:
そうかもしれません(笑)例えば、私の実家である沼津には、元旦寒中水泳というのがあるんです。年末年始に沼津に戻った時、前は寒中水泳をすることに対して「イヤー!」と言っていたのですが、今は一緒に参加してくれるようになったので、親として嬉しいですよ。
ゆーすけ:
地元の沼津で何かしたいという願望もあったりするんですか?
河原さん:
地元のトライアスロンクラブが2016年で30周年を迎えたのですが、自分でやってきたことをクラブのイベントであったり練習会などで活用できればとは考えています。
ゆーすけ:
ぶっちゃけ、沼津に戻ることとかも考えていたり…?
河原さん:
どうですかねー(笑)隠居生活とはまだいきませんが、将来的には元気なおじいちゃんでいたいと思っています。近所の悪ガキがいたら「こりゃー!」って叱るような、古いおじいちゃんのイメージ。人との付き合い方は時代によって変わってくるとは思うけど、古き良きものは残していきたいとも思うので、その辺はバランスを取りながら、年齢に関係なく自分の健康増進をしていきたいです。
ゆーすけ:
では最後に、トライアスロンに関わる方々にメッセージをお願いします!
河原さん:
トライアスロンのスタート地点に立った時点でゴールまでの道は80%完走している、ということです。最初の一歩を踏み出すことが一番の恐怖であったり、できるかなという不安もあると思うのですが、そこでチャレンジしようと思う気持ちが一番大切なことだと思うので、トライアスロンに限らずこれから新しいことにチャレンジすることに、勇気を持って最大限楽しんでいってください!
河原さん、有難うございました!
結果を残すことで、周囲への感謝を表してきた河原さん。
みなさんもぜひ、お手本にされてみてください(^^)
< カワハRun!研究会 >
https://www.facebook.com/groups/1345190502171909/
\かとすいでは、インタビューを受けて頂く方を募集しています!/
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トライアスロンやサーフィン、SUP、ダイビングなどなど、水に関わるスポーツを楽しんでいる方!
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