「より速く! より長く! 」 運動をして、これまでの自分より強く・美しくなるためにはトレーニングは大事なこと。ただ、トレーニングをした満足していませんか?思っている自分になれていますか?そんな時の解決策の1つになるのが、『スポーツ栄養学』。スポーツにフォーカスした栄養学を基に、あなたのトレーニング成果を高めるためのお役立ち情報をお伝えします。
カラダは食べたもので作られる
私たちは食べ物を食べる際、基本的には食材や料理といった『食品』を食べています。食べ物は炭水化物やたんぱく質、水分など様々な栄養素を含み、それが私たちカラダを作り上げてくれます。たんぱく質は筋肉や赤血球、消化酵素の材料となり、脂質はコンパクトなエネルギー源や、衝撃から守るクッションとして役割を果たしてくれます。
あなたはこのような栄養素が、他にどのような役割を担っているかご存知でしょうか?最近は様々なメディアやSNSで健康情報が飛び交っているため、何が良いのか悪いのか収拾がつかないものではないでしょうか?栄養の基本の基本となる情報を次の見出しでチェックしておきましょう!
栄養の基本をチェック!
まずは、『栄養』と『栄養素』という言葉の違いを確認しておきましょう。
『栄養』とは、炭水化物や脂質などをエネルギー源として利用したり、口にした食べ物(栄養素)をカラダの一部として蓄えたりする栄養素の“出し入れ” の流れを意味しています。炭水化物など、食品に含まれる成分そのものが『栄養素』といいます。時々、「栄養満点」という表記を目にすることがありますが、意地悪に言うと「栄養 “素” 満点」と言った方が正確です。
その栄養素は、大きく5つに分けてまとめることができます。それが『五大栄養素』になります。
三大栄養素・五大栄養素
三大栄養素とは『炭水化物(糖質+食物繊維)』『脂質』『たんぱく質』の3つの栄養素を指し、これらは私たちが生きていくためのエネルギー源となる栄養素になります。特に、炭水化物と脂質が主なエネルギー源として利用され、たんぱく質は先述したように様々な組織の材料として使われます。
またこれらに加えて、カラダの様々な機能を動かす役割を持つ『ビタミン』『ミネラル』を含めたものが五大栄養素になります。ビタミンは水に溶ける水溶性ビタミン、油に溶ける脂溶性ビタミンの合わせて13種類ものビタミンがあります。ミネラルは栄養素として無くてはならないものだけでも16種類もあります。これらが複雑システムを構築し、エネルギーや様々な組織を作ってくれているのです。
イメージで例えると、工場の生産ラインを思い浮かべられます。三大栄養素が製品を作るための “材料” 、ビタミンやミネラルは “スタッフ” “機械” “潤滑油” のような役割を果たしてくれます。何かが無くなってしまえば生産ラインはストップしてしまうため、何かの栄養素・食品だけを食べていては、私たちはうまく機能してくれないのです。
機能性成分
五大栄養素には該当しない栄養素も食品の中にはたくさん含まれています。例えば、ブルーベリーやオリーブオイルなどに含まれる『ポリフェノール』。必ずしも必要になる栄養素ではありませんが、私たちの健康レベルを高めてくれる大切な栄養素になります。
運動の際には普段よりも大きな負担がカラダにかかります。その負担を放置してしまっていては、カラダもぼろぼろなってしまいかねません。これらの栄養素にはその負担からカラダを守り、強くしてくれる力が秘められています。その栄養素は、私が当たり前のように食べている様々な食品に含まれているのです。
運動時には『炭水化物』がキーポイント
では実際に運動をする際、どんな栄養素が必要になって、私たちの力になってくれるのでしょうか?
私たちが生きている間は、カラダの中にある栄養素からエネルギーを作り出し、それを動く力に変えてカラダを動かしています。そのエネルギーの材料となるのが、先ほどご紹介した三大栄養素になります。その中でも、『炭水化物』と『脂質』が主なエネルギーの材料となります。これらは “使い勝手” が大きく異なることが大きなポイントになります。その使い勝手についてご説明いたします。
炭水化物と脂質にはそれぞれ強みと弱みがあります。
炭水化物の強みは『素早くエネルギーになる』こと。弱みは『たくさん蓄えられない』ことにあります。
一方、脂質の強みは『ほぼ無限のエネルギーを蓄えられる』こと。弱みは『エネルギーになるのに時間がかかる』ことにあります。
カラダを大きく・速く動かすような強度の高い運動時には、より多くのエネルギーが短時間に必要になります。100m走などが典型的な例ですね。このような運動では、エネルギーにすぐに変えられる栄養素の方が使い勝手がいいわけです。その栄養素が『炭水化物』になります。しかし炭水化物にもたくさん蓄えられないという弱みがあります。そこで、無限に蓄えられている脂質をうまく使います。脂質はエネルギーにするまで少し手間がかかり、炭水化物を“着火剤”のような役割で少量混ぜ合わせた形でエネルギーに変えていきます。そのため、限りある炭水化物のストック状態や、炭水化物・脂質といったネルギー源がどのように使われるかを把握しておくことが、カラダを思うように動かすためのポイントになってきます。
では実際にどのような運動時に、どのような工夫をするとトレーニングの成果をより高めることができるのでしょうか?
あなたは、どの運動を?
科学的に、運動は3つの段階で分けることができます。1つ目は数分以内に終わるような『ハイスピード運動』。2つ目は、数十分は継続できるが何時間も継続することは難しい『ミドルスピード運動』。そして、3つ目が、会話をしながら数時間継続して運動できるような『ロースピード運動』になります。
1)ハイスピード運動
ハイスピード運動は数分以内の短時間で終えるような運動強度になります。先述した100m走のように、
ほぼ炭水化物がエネルギーの材料となるのですが、ハイスピード運動では炭水化物を使い切る前に他の機能が制限要因となって運動の継続ができなくなります(筋肉内の㏗やミネラルバランスの崩れなど)。そのため、余程の運動量でない限りは、通常のお食事で摂れる炭水化物の量で間に合います。食べ過ぎ、不足に気をつけてバランスの良い食事を心掛けましょう。
2)ミドルスピード運動
ミドルスピード運動は「ゼーハー」と呼吸を荒げながらも、数十分単位でしばらく継続できる運動になります。この時、体内では脂質のエネルギー変換をフル回転させると同時に、多くの炭水化物もエネルギーに変えています。そのため、急速に体内の炭水化物のストックが減少していきます。運動強度によっては、1時間で使いきってしまう場合もあります。
ミドルスピード運動は、大抵のトレーニングで用いられる運動強度になります。トレーニングでは、自分の限界に近い運動が行えると、パフォーマンスを上げることができます。そのために、トレーニング前にエネルギー源となる炭水化物のストックがきちんとあるかどうかが、トレーニングの成果につながる重要なポイントになります。特に、糖質を控えている方は要注意です。多くのスポーツ選手では、糖質(≒炭水化物)は高い運動パフォーマンスにはなくてはならない栄養素になります。とは言え、食べ過ぎも良くないのものです。このさじ加減がとても難しい… 全ての方の正解ではありませんが、まずはお茶碗1杯分のご飯を毎食欠かさず取るようにしましょう!他の料理で食べ過ぎなどをしないよう、バランスに気をつけていれば必ずトレーニングの成果が身についてきます!
3)ロースピード運動
ロースピードの目安は会話をしながらでも運動ができる強度です。ランニングで言えば、ジョギングほどのスピードになります。この時、体内のエネルギー作りでは、多くが脂質から作れているます。そのため、この運動時間が1~2時間程度と比較的短い時間であれば、通常のお食事でOKです。ただ、スピードが遅くても体内の炭水化物は少しずつ減っていくため、長時間動く場合はスポーツ栄養学の考えが必要になってきます。運動前に予めしっかりと食事で炭水化物を摂っておいたり、運動の途中で飲み物や携行食で糖質を補なったりすると運動継続時間が長くなり、結果にも結びついてきます。
意図的に体内の炭水化物量を少なくして、ロースピードのトレーニングを行うと、より炭水化物を節約できるようにもなれます。ただ、これは怪我やパフォーマンス低下のリスクもあるためトレーナーやスポーツに精通した管理栄養士に助言を貰いながら行うことをオススメします。
明日、あなたが行うのはどんな運動でしょうか?その運動にはどんな栄養素が、どの程度必要になるでしょうか?スポーツ栄養学で考える食事は、このような計画があることで役に立ちます。無理な食事制限はしていませんか?運動したからと言って、いつも以上に食べ過ぎていませんか?本当になりたい、手に入れたい、体感したい自分の姿を思い浮かべ、“食の力” でスピードアップをしていきましょう!
【食から「記録にコミット」!学んで実践、スポーツ栄養学講座】
身体作りやコンディショニング、パフォーマンスアップを後押ししてくれるもの、それがスポーツ栄養学。
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いつもの食事にスポーツ栄養学という “スパイス” を加えて、記録にコミットしましょう!
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