オープンウォータースイマーの節政健一がお送りする「津軽海峡横断泳までの道のり」。今回は皆さんに知っていただきたいOWS大会の楽しみをご紹介します。
オープンウォータースイミング(以下:OWS)デビューから1年、初の県外遠征は長崎県佐世保市で行われた九十九島OWS大会でした。地元延岡から高速バスを乗り継いで約6時間の長旅は、初めての1人旅行でもあり色々な緊張感を抱きながら佐世保に乗り込みました。【津軽海峡横断泳までの道のり vol.3】
アウェイでのレース
九十九島OWSは九州で行われる最大級のOWS大会で、参加者の多くは長崎や福岡から来た選手で宮崎から参加していたのは私ただ1人でした。この頃はまだ新参者の無名選手だったのでOWS仲間も居らず会場の片隅でレースが始まるのを1人静かに待っていました。
レースは2.5kmと800mに出場しましたが、周りは現役の水泳選手やトライアスリートばかりで、応援者も多く、アウェイの雰囲気に完全に飲み込まれてしまっていました。
レースは2.5kmから始まり、スタートから前に飛び出しそのまま後続選手を引き離し1位でゴールしましたが、水から上がりゴールに向かっている時に観客から「誰?」という声が多く聞こえてゴールしても小さくガッツポーズしかできませんでした。
続いて800mのレースでも1位でゴール!そして再び「えっ誰?」と聞こえて来る声にゴール後、うつむいたまま立ち去ろうとすると「どこから来たの?」と地元の方に声をかけてもらうとその周りに居た人たちも「速いね~」「2冠すごいね!」とたくさんの人たちから声をかけてもらいました。それまでアウェイならではの肩身の狭い想いをしていたので声をかけてもらったのはとても嬉しかったです!
アウェイレースの楽しみ
全国各地で様々なOWS大会が行われていますが、1人で参加するのは寂しいなと思っている方にこそ様々なOWS大会に参加してもらいたいです。OWSの楽しみは決して泳ぐことだけではなく、全国各地から私たちと同じように泳ぐことが好きな選手が集まっているので、待ち時間などに隣の方へ一言声をかけるだけでOWSという共通の話題ですぐに仲良くなれます。
また、OWSの練習会や講習会も各地で開催されているのでそこへ参加して仲間を見つけて大会に参加する方法もありますし、お互いの練習メニューや大会成績などの情報交換をすることで自分の励みにもなります。
年齢や泳力に関係なくOWSを通じて全国各地に仲間を作ることができることもOWSの楽しみの一つでもあるので、ぜひ各地の大会に参加して色々な人に積極的に声をかけてみて下さいね!
■節政健一の「津軽海峡横断泳までの道のり」シリーズ
【vol.1】私がOWSスイマーになったきっかけ
【vol.2】私のOWS大会デビュー