石川県の小松空港から車で約30分。加賀市にある山中温泉は1300年の歴史を持ち、自然、伝統文化に溢れる温泉地です。
そんな温泉地を地元に持つある一人の男が、地元の活性化にためにトレイルランニング大会の開催に向けて立ち上がりました。
トレイルランニングとは、森や山中などの自然環境の中、未舗装の道を走るスポーツです。走っていると自然と一体になるような感覚になる魅力から、最近急激に愛好者が増えてきています。
今回で第2回目の開催となるOSJ山中温泉トレイルレース。その発案者であり、山中温泉出身の田守順一朗さんに開催への想いをお聞きしました。
ー早速ですが、田守さんがこのトレイルランニング大会を立ち上げた想いと経緯を教えてください。
2011年から仕事で海外に行くようになり、外国から故郷石川県加賀市山中温泉を想うことが増え、地元の活性化のために自分は何かできないのかと考えました。
温泉など観光資源はあり観光客は来るものの、町は過疎化や高齢化が進み、子供たちが少なくなっている現状があります。そこで、地域の皆さんが盛り上がるようなイベントを開催して元気にしたいと思ったのです。
私は小学生のころ、遠足と言えば行き先はほとんど「山」でした。山中温泉で一番高い山である大日山を幼稚園児に登らせる学校があったくらい、山は身近な存在でした。
私は30歳からトライアスロンやトレイルランニングなどアウトドアスポーツを楽しむようになり、競技性があまりなく、みんなでゴールを目指すような団体競技が好きだなと思うようになりました。
そしてアイデアが浮かんできたんです。
山中温泉は最大1300mくらいのそれほど高くない山に囲まれた盆地であり、夏は暑く、冬は寒い気候です。そんな環境の中、私たちが幼いころ楽しんだ山々で大人が楽しめるトレイルランニング大会を開催したら、四季が感じられる美しい山中温泉の周辺の山々を味わうことができるし、それを目的に山中温泉に訪れる人が増え、地元の人々との交流ができればすごく価値があることができるんじゃないかと思ったんです。
ところが開催するノウハウがありません。そこで、山中温泉で旅館を経営してる父に、そして全国各地でOSJトレイルランニングレースシリーズを展開している有限会社パワースポーツの滝川社長に相談することにしました。
滝川社長は何度も山中温泉に足を運んでくれて現地調査をしたり、合宿を開催したりしてくれて、山中温泉でのトレイルランニング大会の開催に向けて動いてくれました。
そこで私が気づいたことは、山中温泉周辺の山々には登山マップがないことです。つまり、登山者が訪れないような秘境だったんです。ということは、まだ開拓されていない山中温泉周辺の山々の魅力を発信できれば、すごく魅力的なトレイルランニングの大会ができるんじゃないかと思いました。
そして、昨年第一回目のトレイルランニングの大会を開催することができました。
ーなるほど。四季折々の美しい自然を多くの方に知ってもらうのは、実際にその場所を走ることが一番ですよね!それでは、今後の展望や目標を教えてください。
このトレイルランニングの大会を開催することによって、山中温泉にある山々の素晴らしさを地元の皆さんにも改めて見直していただけるきっかけになればいいなと思っています。また、大会開催によって町に資金が入ったら、その資金を使って山道の整備や登山マップ作成に使っていただきたいなと思っています。
そして大会に参加される皆さんに、ぜひ町や温泉などで地元の皆さんと交流をしていただけると嬉しいですね。
そして将来的にはアジア各地からトレイルランニング愛好家が参加してくれるようなアジアチャンピオンシップをここ「山中温泉」で開催したいと思っています!
ーありがとうございました!自然や歴史、伝統文化が溢れる山中温泉でのトレイルランニング大会。たくさんの方々に参加していただきたいですね!
【大会概要】
OSJ山中温泉トレイルレース Presented by PowerBar
開催日:2016年10月30日 (日)
開催地:石川県(加賀市)
主催:OSJ山中温泉トレイルレース実行委員会
距離:約80km
参加資格:男女別15歳以上
制限時間:16時間30分
参加料(税込):1万3000円
定員:600人
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