コンディション
体重67.3kg
体脂肪率12.0%
2017年6月4日に渡良瀬遊水地にて開催された、関東トライアスロン選手権に出場し、6位入賞という結果を残せた。
この結果から、10月15日にお台場で行われる日本トライアスロン選手権の出場権を獲得できた。
レースレポートを書いたので是非ご一読を!
緊張しているからか、あまり寝つきが良くなく、寝付けたと思ったら、アラームが鳴る前に目が覚めた。
何か食べる前に体重計に乗り、体重と体脂肪率を量る。5日前からウォーターローディング、2日前からカーボローディングを行ったせいか、過去最高体重でのレースにやや不安を覚えた。
体重計に乗った後は、BCAA、甘酒、バナナを数本胃の中に入れる。そのあとシャワーを浴びて、米を食おうかと思ったら、迎えが到着したので、あきらめて荷物を積む。
車の中でも、レース中、脱水にならないように意識して水分を取る。日焼け止めは会場についてからでいいかと思っている私の横で、女性陣は車内から日焼け止めを塗って対策を行っていた。アスリートより意識高し。。。
会場につくと、若干ひんやりとした風が吹いていた。日差しは強いが、風は少し肌寒いくらい。しかし、風が強い。非常に強い。パイロンが飛び、何もないところで単独落車が起きるくらい風が強かった。
受付を済ませアップを開始する。
・3本ローラー20分+実走5分ほど
・10分ジョグ+短い流し3本
ストレッチ、補強を合わせて60分ほど動いてから説明会へ。
説明会へ行くときに車の前で、われらの編集長が寝ていたのはここだけの話。
一通り説明を受けてから、車へと戻る。
トイレを済ませて、準備してたらトランジションオープンの時間になった。
一通りの荷物をセッティングして隣の大先輩原田選手に挨拶をする。
世間話や展開の話を済ませた後、入水チェック(スイムウォーミングアップ)へと向かった。
入水チェック
アンクルバンドを受け取った後、水の中に入る。
水温は22度。トライスーツを着ていたらなんてことのない水温だが、水から上がるとカラッとした風に体温を奪われる。
そして何より、波がきつい。風によって水面が波立ち、泳いでいて体が左右に振られるのがわかるくらいだった。
海のように「あ、波が来る」という感覚は一切なく、風の気まぐれによって波が作られる。
水面があれていたからか、いつにもまして渡良瀬の水が汚く見えた。
そんな中、入念にスタートを確認する。水面が見えないので、歩数を数えながらぎりぎりを攻める。
「5歩か6歩」、この確認が功を奏した。
みっちり入水チェックを行い、バスタオルで水をふき取り、コールを待った。
スタート~スイム~T1
コールが始まり、有力選手が呼ばれていく。今年は人数の関係からか、音楽も何もなく、名前を呼ばれるだけだった。
スタート位置につくまでにたくさんの方から名前を呼ばれる。
「半年前、ここに立てるとは思わなかった。」
なんてことを考えながらスタートグリッドを選択。
大体左から10番くらいの位置を選択して、全選手が入場するのを待った。
昨年はフォーンがうまくならず、あっけにとられている間にレースが始まったので、集中する。
全選手が入場し数分経った後、会場が一瞬静止した。
「on your mark」
フォーンがなり、スタートが切られる。
1歩、2歩、3歩、4歩…周りが飛び始めた。
惑わされず、5歩…6歩を選択。
飛び込んだ時点で体1個分に近い差が生まれた。
そのまま100mくらい、8割のスピードで泳ぎ続ける。
左は誰もいないが、右は誰かいる!
泳ぎながら誰がいただろうと考えた。
近づいてくる泳ぎを見たら肥後選手だとわかった。
今回は張り合う必要もないので、肥後選手に引いてもらおうと思いながら泳ぐ
肥後選手の華麗なドルフィンスルーのおかげで、ノーバトルで前後になれた。
半周して法政大学の飯泉選手が合流、1周目の終わりで古山選手、2週目の頭で北条選手が合流した。
2周目からは隣の泳者とくっついては離れるを繰り返しながら泳ぐといったカオスな状態だった。
そこからはポジションを下げることなく進んでいった。
水からあがり、走ってバイクを目指す。
後ろには流経大の杉原選手、岩本選手と有力選手がいたので、落ち着いて走る。
昨年はバイクを見失い、若干ロスしてしまったので、今回は目印を決めて落ち着いて走った。
ゼッケンベルトを落ち着いてはめようとするがはまらない。
いつもは前でバックルをはめて、レースナンバーを後ろに回してたと思うのだが、今回は後ろに手を回してバックルを付けていたような気がする。
若干ロスしながらも、ヘルメットをかぶり、バイクを押す。
飛び乗ったところで、輪ゴムが外れてしまい靴を履くのに手間取る。
「あぁ~」とか「落ち着いて!」と聞こえが、ため息をつきたいのはこっちだ。
観客の言う通り、落ち着いてひっくり返ったシューズを直しながら前を追う。
早々にとらえる。後ろには杉原選手、前には日野選手。
日野選手が中途半端なところで踏むのをやめたので、前に出ようとしたら杉原選手が前を引いてくれて、集団と合流した。
バイク~T2
1周目は流経大の選手を中心に上げ下げがあり、集団を揺さぶっているのがわかる。
いじめないでくれーと念じながら落ち着くのを待つ
2周目になると集団のメンバーが固定された。
岩本選手、古山選手、杉原選手の流経大3人と、東海大学肥後選手、法政大学飯泉選手、日体大北条選手と私の7名。
きれいにローテが回るかと思えば、そううまくはいかず、集団のイニシアティブは杉原選手が握った。ペースの上げ下げは彼の手の中にある。
走っている最中に、「今回は前ひかなくていいでしょ!」とアドバイスしてくれた同期の言葉が浮かんだ。
「いやー、すまん。なんか回せちゃいそうだから、できるだけ回すわ~」と思いながら走った。
後日、バイクの展開を話すと、「そうなるとは思っていたよ」と笑われた。
そんな中、風が集団に襲い掛かる。集団からちぎれはしないものの、脚には確実にダメージを与えていく。集団も機能してないに等しい状態。
「引ける奴が引け」、「前に出たくない」
口にはしないものの、こう思った選手が多いだろう。
その後はしばしの間、特にトラブルなくレースが進んでいった。
しかし、落車発生。流経大の岩本選手。古山選手と交錯してしまったようだ。
後ろを確認しながら漕いでいる古山選手に声をかけ、無駄なトラブルが起きないように心掛けた。その矢先、肥後選手のハンドルが僕のハンドルに当たった。まったく。笑
そこからは後ろとの差が全く分からない状態で、レースが進んだ。マーシャルバイクが教えてくれると親切なのになと思いながら、次のランに備える。
最後の直線に入り、若干集団が緩んだ。
靴を脱いで、トランジットへ向かう。
落ち着いて靴を履き、クリオの骨盤サポートベルトを手にして走り出す。
ラン
走り出しでクリオのベルトを巻こうとしたが、うまく巻けない。
落ち着いてまき直し、前を追う。
肥後選手がいい位置でチラついていたので、その距離を保ったまま走る。
風は向かい風だが400mくらいで風向きが変わるので辛抱する。
肥後選手と走っていると、昨年のタイ合宿のことを思い出す。
気温30度、湿度80%という過酷な環境の中、死ぬ気で走っていた。
そのまま淡々と走り続ける。
後ろが迫ってくるプレッシャーを感じながらも、動きを乱すと足がつりそうだったので、とにかく淡々と走った。
6㎞地点で米谷選手にとらえられた。登り始めでとらえられたのだが、意外とついていけそうだったので、ペースを上げたところ、下りで見事に足がつった。
これはやばいと感じながら、給水ポイントまで気合で走り、ストレッチを行う。
すれ違った同期の高村選手に「頑張れよ!」と声をかけられる。
つらなくなったことを確認すると再び走り出した。
走り出してからは、何となく事故のことを思い出してみた。
半年前は消毒液の臭いがする部屋で寝ていただけに不思議な気持ちになった。
「もしかしたら、アスリートに戻れないかもしれません。」
こんなことも言われたなと思うと、今、最高に楽しいと感じられた。
最後の直線に入ると、このレースで初めて後ろを振り返った。
「とりあえず、日本選手権の権利はとれた。」
とホッと胸をなでおろした。
ゴール前ではみんなが待っていてくれた。
できる限りハイタッチに応え、ゴールする。
「6位でガッツポーズも恥ずかしいかな?」
と思いながらも
「まぁ自然と出たものだしいいかな」
と自己完結した。
その後
レース後はたくさんの人に祝福された。
トライアスロンって最高に楽しいと思う瞬間だった。
復帰するにあたって、支えてくれた方には感謝してもしきれない。
この半年間は、過去と現実のギャップに悩まされることがたくさんあった。
目を逸らしてトレーニングを続けても、体がそれを教えてくる。
しかし、たくさんの人が助けてくれた。
いい環境に身を置き、いい仲間と出会えたと思う。
次回のレースはどうなるかわからないが、予定ではアジアカップ村上大会に出場したいと考えている。