トライアスロンやオープンウォータースイミングでは数百人から中には千人単位で同時にスタートするレースがあります。そんなレースで、大勢の選手が同時にスタートすると何が起こるかというと……そう、みなさんご存知の「バトルスイム」になりますよね。
この「バトルスイム」ですが、誰しも避けたいところですが、みんな真剣に挑んでいるレースなので、なかなか避けるのも難しいものです。そこで、今回は「バトルスイム」になった時、また、泳いでいる最中に急に目の前に人が現れたり、波が高い時などで、泳ぎを不意に止めてしまった場合に役立つテクニックをご紹介したいと思います。
海で泳ぐと不意に止まらないといけないことがよくある
上述したとおり、海で泳ぐときには不意に止まらないといけない場面が多々あります。一番多発するのが、スタート時に起こる「バトルスイム」だとは思いますが、それ以外にもトライアスロンの場合は周回コースが多いので、泳力がバラバラなため急に前後左右に人が現れることもよくあります。また、波が高いコースだとブイを見失って、進行方向を確認するときも止まるでしょう。
そのため、一回止まった後にスムーズに再び泳ぎだすテクニックが大切になります。なぜなら、水泳は止まってから泳ぎだすとスピードに乗るまでに時間がかかるし、体力を消耗するからです。
ということで、オススメのテクニックをご紹介します。
いろんな場面で役立つ『ストップ&ゴー』というテクニック
まずはこちらの動画をご覧いただきましょう。
個人の特定ができないように画質の調整をしているため、少々わかりづらいですが、ヘッドアップスイムで泳ぎ、途中で浮いた状態で止まり、そしてまた再び素早く泳ぎだすテクニックの練習になります。
これを『ストップ&ゴー』と私は呼んでおりまして、水球の練習でもよく実施されるものになります。
ポイントとしては、止まった状態から再び泳ぎだす時に、まず、片手をしっかり伸ばし体重をかけます。そしてもう片手はしっかり後ろまでプッシュ(しっかり掻く)しましょう。要はしっかり掻いてスピードをあげるということになります。
ちょっと待てよ!力入れて掻いたら疲れるじゃないか!?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに力を入れて掻くということはエネルギーを使いますが、トータルで考えるとこちらの方が省エネなのです。なぜかというと、水泳はなかなかスピードがあがりません。むしろ減速していくスポーツです。そのためいかに初速をあげるかが重要なのです。これは、例えばプールのスタート時にしっかりと「けのび」をしてスピードを落とさずに泳ぎだしましょう、と同じことですね。
さいごに
プールとは違って海で泳ぐということは不測の事態が起こるのが当たり前です。そのため、事前にそういう不測の事態に備えた練習を積むことも大事になります。レースシーズン中はもちろんですが、シーズンオフの時こそしっかりやっておきたい練習です。ぜひみなさんお試しください!