いきなりですが、皆さん「赤台」というのはご存知でしょうか?
正式名称はプールフロアと言いますが、水泳のコーチの間では「赤台」という通称で呼ばれており、主に子どものレッスンで使う水深を調整するのに使うものです。
バタ足(キック)って必要なの?という記事でご紹介しましたが、水泳には必要なキック。多くの方が苦手意識を持っていますよね。このバタ足の基礎的な練習方法はこちらをご覧いただくとして、今回は応用編としてこの「赤台」を使って、トライアスロンのスイムが苦手な方やマスターズスイマーでキックが苦手な方向けにキックが上手くなる方法をご紹介したいと思います。ここで言うキックは「バタ足=クロールのキック」のことを指しております。
また、通常ご自分で市民プールや民間のプールなどで赤台を使うことはできませんので、ぜひご興味ある方はレッスンに足をお運びいただければと思います。
キックはキックじゃない!?
さて、特にトライアスリートの方にお聞きしたいのですが、なぜキックが苦手なのか考えたことはありますでしょうか?
また、レッスンを受けている方は「太ももから足を動かしてくださいね〜」と言われたことはありませんか?
まずはこの質問から解決していきましょう。
「キック」と聞くとなんとなくサッカーのボールを蹴るキックをイメージされる方が多いのですが、水泳におけるキックは足の上下動になります。イメージで一番近いのは「うちわを仰ぐ」でしょうか。そして、足を動かすポイントは太ももの付け根になります。片足で立っていただいて、つま先立ちし、浮いてるもう片方の足を前後させてみてください。おそらく、前には動きやすいですが、後には動かしづらいと思います。ここがポイントです。
少し想像してほしいのですが、実際に泳ぐ場合は「うつ伏せの姿勢」になっています。ということは、下の方にキックはしやすいですが、上の方にはキックがしづらいということになりますよね。さらに、「うつ伏せ」でプールに浮いているので、体には「浮力」という力がかかっています。浮力がかかり、お腹や背中周りのいわゆる「体幹」をしっかり意識できてなければ、体はかなり反ってしまいます。そうすると、太ももの前の付け根が伸びきっちゃう姿勢になりますので、さらに上にキックがしづらくなります。合わせて下から上へ浮力がかかっているので、陸上とは違い下の方もキックがしづらくなります。ここが水泳におけるキックが難しいところなのです。
そうして、太ももの付け根がロックしてしまった結果、次に動かそうとするのが「膝」なのです。膝は太股の付け根と違い、動かしやすい関節なので、多くの方がいわゆる「膝キック」になるわけですね。
このあたりのご説明は文章だととても伝わりづらいものなので、ご興味ある方はぜひご連絡いただければと思います。
キックが苦手なスイマーの救世主「赤台」!?
さて、ではタイトルにもあります「赤台」を使ったキックの改善方法をご紹介したいと思います。いくつか方法はあるのですが、今回はイチオシのメニューをご紹介します。
まず「赤台」をプールに沈めます。水深が1〜1.2mくらいの一般的なプールであることが条件です。まずは「赤台」の端を両手で掴んで肘を伸ばし、体が水面に浮くように意識しましょう。このとき腕は斜め下の方向を向いています。そして、体が浮いてきたらお腹周りに力を入れ、少しだけ膝を曲げます(ここポイント!)。要は太ももの付け根をゆるめてあげたいわけです。
次に「赤台」の端を掴んだまま軽めに足を上下してみましょう。足は下よりも上に動かすことを意識します。そして徐々に足の上下動を速く力強くやってみましょう。
最後に、「赤台」の端を掴んでいた手を離し、「赤台」の面の部分に手のひらを合わせ、前方へスライドするようにキックをしていきます。うまくキックが入っていると、スルーっとなめらかに進んでいきます。ポイントは体の重心が斜め下に向かっていることです。ここで、重心が後ろに下がっていたり、うまく体が浮いていなかったりすると、全く前に進まないか、逆に足の方向からプールの床に下がっていきます。
さいごに
前述したとおり、「赤台」を自ら使って練習することはなかなか難しいと思います。ぜひそのようなレッスンをしているスクールへ参加していただきたいところですが、どうしても叶わない場合は、「ビート板」で代用することも可能です。
ビート板に両手のひらをのせてビート板を水中に沈ませ、胸の下あたりにもっていきます。このとき肘はまっすぐに伸びているようにしましょう。そしてそのまま体を水面に対してフラットな状態にしてから足を上下動させてます。バランスが取れたきたら速く力強く足を動かし、キックを打ってみましょう。
ということで、今回は「赤台」を使ったキックの改善方法のご紹介でした。キックのトレーニングに関してはまだまだたくさんあるので、順を追ってご紹介していきたいと思います。お楽しみに!
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